<--目次へ            1.世界最強の日本人旅行者達                 Next-->

 ときどき海外で、「もう!どこ行っても日本人ばっかりで、嫌になる、ぶー」なんていってるのを耳にする。
ご自分では、かなりの僻地にやってきたようなつもりでいるのか、「また日本人か・・・」なんて顔をしている人もいるけれど、こういう人達はまだまだ旅の初心者だ。
今や、いや、昔から、どこに行ったって日本人旅行者はいるのだよ。ふふふ。

 私が学生の頃、はじめて海外に旅をしたのは、1988年スマトラ島だった。
昔、食人の奇習があったという村に行ったのだが、そこでは、当時日本人が非常に珍しかったらしく、それに「おしん」が流行っていた時でもあったので村人に大歓迎を受けた。
そんな村で道を歩いていると、今も忘れない・・ 
「えっ?日本人?日本人?」と声をかけてこられたのだ。
東京の学生だったが、泣きそうな顔で、
「昼間、温泉あるって言うから行ったんだよ。帰り道に、荷台に人一杯乗せたトラックが、親切に乗ってけって言うんだ。でも、”歩きたいからいらないよ”って。そしたら、みんなが笑いながら手を振ってね。気を付けていけよって。
それで、しばらく行ったらさ、泣き声聞こえるんだ。さっきまで笑ってたトラックが道の脇に転がってさ、みんな血流して泣いてんだ。
俺言葉わかんないし、こわくてこわくて〜」
「バス停でさ、皆でギャンブルやってんだよ。コップひっくり返して中に豆入れてどっちにあるかってやつ。
ずっと、見てたけど100%どっちか分かるんだよ。
そしたら、中の一人が、”おい日本人やってみるか。お前は日本人だからちょっと多めに賭けてみな。”って。みんな100ルピアなのに俺は1000ルピアなんだ。
じゃあって、コップの動き見てると明らかにこっちだって分かるんだよね。でも、あまりに分かりやすいしこれには罠があるのかな?でも、こんなに明白なものをワザと違う方に言うのも悪いし。迷った挙句、絶対こっちに入ってるって方を指差したんだ。
そしたら兄ちゃん、”どうかなどうかな?”って素振りでコップを開けた。
案の定、豆があるんだよね。”やった!”って思ってたら、辺りは騒然さ。兄ちゃんは絶望的な顔して青ざめてるし、まわりは大騒ぎで、俺、こわくてこわくてさ、逃げたよ。
もうやだよ。」
この後、この男子学生とは、何度か他の地でも遭遇することとなる。信じられないほどの恐がりで、何で、こんなに恐がりながら旅を続けるのか不思議だったが、雨期のスマトラを腰まで水に浸かりながら一人、端っこまで行き、その後も秘境を旅して廻ったらしい。。

 1999年、夫婦でイラン−トルコ間を陸路で越えた時も感心した。この、あまりメジャーでなかったルートを越えた勇気ある外国人はその日8人。その全てが・・・日本人だったのだ。
 アフリカにいた時には、エジプトから自転車でジンバブエまで下ってきた日本人数名に遭遇した・・・内戦下にあったスーダンを涼しげに自転車ですり抜けて。。。ひとりだけじゃない、「数名」いたのだ!こんなこと、自衛本能の強い欧米人にはまずやれまい。
 当時、リヤカーを引いた日本人旅行者が3〜4人世界を旅しているとの情報も入った。
炊飯器を持って旅する日本人を目撃、ごちそうになったが美味しかったとの情報あり。
 これも聞いた話だが、
ある日本人は中国で、チベット行きのバスチケットが高いのに絶望し人民自転車を購入。一路、五千メートル級の峠を越えてチベットを目指し人民自転車をこいだが、途中公安に見つかる。
「一体お前はこんなところで何してるんだ!!」と。
驚愕を隠し切れない公安に、無理矢理バスに乗せられ下界に強制送還。
ところが途中何度も腹痛を訴えてバスを止め、他の乗客に迷惑だからとバスを降ろされたのをいい事に、再びチベットを目指す。
そしてまた公安に見つかり・・を繰り返したが計略は失敗に終わった。
と、かように日本人はおもしろい。

ある欧米の長期旅行者も言っていた。「日本人はなぜあんなにおもろいのか??」と。

日本人旅行者は何処までも行くし、どこにでもいる!
だから、外国で日本人に出会ったなら、「また日本人か。。。」なんて顔しないで話し掛けてみよう。長期旅行者ほど親切だし、摩訶不思議な話がたくさん聞けるから。。【雅】

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